「僕のことだよ!」
オルランドが言う「僕のこと」とはどんなことか。
「彼は権力と領地、財産を受け継ぐ身であったが、
生まれたときから別のことを欲していた。
オルランドが求めていたのはそういう特権ではなく、
話し相手だった」。
これ、ウルフのことね。
「オルランド」が出版されたのは1928年。
当時、性別について考える事自体がおかしかった。
生まれついた性に疑問を持つ人は、いたかもしれないが少なかった。
ウルフはオルランドを通して、
女性であることも男性であることも、
表面的なことに過ぎない、
それを書いて、
語りかけて、
社会が当たり前としていたことに揺さぶりをかけました。
それでこそ文学。
映画の冒頭、サリー・ポッター監督は、
このセリフをいうティルダ・スウィントンをドアップで写します。
わかった、わかった(笑)