ゲイ映画のキメ台詞

LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

これはあなたのよ。何かわかるかも

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」④〜

これはあなたのよ。何かわかるかも「自分が誰かわからないのよ」と不安がるリタに、ベティはバッグを渡し、「これはあなたのよ。何かわかるかも」と開けさせます。中には大金が。札束を取り出すと、底に小さな青い鍵があった。「青い鍵」こそ、すべての事実を明らかにするこの物語の大事なキーです。でも先を急がず、リンチの語り口に任せてつい...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

わたしはリタよ

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」③〜

わたしはリタよもう一人の主人公、リタ(ローラ・ハリング)が登場します。交通事故で彼女は記憶を失い、偶然入り込んで眠ってしまった部屋がベティの叔母のマンションだった。やってきたベティは先客がいるのに驚く。事情を聞いて、気の毒に思い、リタが記憶を取り戻すのに力を貸す。ベティは自分が女優志願でオーディションを受けること、「ス...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

みんな、ココと呼んでいるわ

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」②〜

みんな、ココと呼んでいるわベティ(ナオミ・ワッツ)が、叔母の留守を預かるマンションに到着しました。管理人が現れ、「ここはいい人ばかり」だから、心配ない、自分のことは「みんなココと呼んでいるわ」と自己紹介します。もうすでにわたしたちはリンチの「夢と妄想」の世界に入っています。「ココ」と名乗った女性を覚えておいてください。...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

とうとう来たんだわ!

〜二度と見たくないゲイ映画の傑作「マルホランド・ドライブ」①〜

とうとう来たんだわ!英BBCが世界の批評家177人の選んだ「21世紀の映画ベスト100」1位が「マルホランド・ドライブ」でした。監督はデヴィッド・リンチ。どこまでが夢でどこからが現実か、リンチは一つも臨界を示しません。ヒントはありますけどね。正気と狂気を分ける線引きなどあるはずがないと言いたいみたいです(笑)。主人公は...

素晴らしかったわ。ありがとう。

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉚〜

素晴らしかったわ。ありがとう。エマの個展のオープンの日。招待されたアデルは、関係者に取り囲まれ、画家として将来を約束されたエマをみます。アデルをモデルにした絵がある。展示された作品の中でも傑作に入ります。アデルは招待の謝辞を述べ、画廊を出る。タバコに火をつける。私たちは道を分かったのだ、アデルはそれをきっぱり受け入れて...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

さびしいの、息が吸えないのが

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉙〜

さびしいの、息が吸えないのがアデルの告白です。胸を打たれます。「さびしいの。ふれあえないことが。会えないのが。息が吸えないのが。ほしいの。いつもあなただけが。すべてが恋しい」エマの吐く息が吸えない…このセリフが最も濃密だと思いました。エマを呼吸してわたしは生きていた、息の中のエマの匂い、息の中の温かさ、湿り気、あなたは...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

セックスは満足してる?

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉘〜

セックスは満足してる?エマは、リーズと、リーズの娘と3人で暮らし、それが「私の家族」であり、「幸せ」だと、アデルにとっては残酷なことをいいます。アデルはそれに対し「よかった」と…なかなかいえないことだわ。でもひとつだけ、エマに訊きたかった。「セックスは満足してる?」エマは伏せ目になる。「全然ダメ?」「ダメじゃないけど」...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

まだあの人と? 幸せ? よかった

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉗〜

まだあの人と? 幸せ? よかった3年後、アデルはエマと再会する。アデルは教師としてのキャリアを重ね、高学年を受け持つようになった。エマは若手画家として注目されている。「まだあの人と?」とアデルが尋ね、エマがうなずく。幸せかと訊いたときもうなずく。「よかった」とアデルはいう。3年の間、アデルがさびしさのなかで、でも仕事を...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

開けてよ、話を聞いて!

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉖〜

開けてよ、話を聞いて!締め出されたアデルはドアを叩き、話を聞いて、と叫ぶ。アデルには後ろ暗い気持ちなど、これっぽっちもない。エマはかす耳も持たず、ドアは無情に締まったまま。夜遅い、人通りもなくなった通りを、アデルはしゃくりあげながら歩く。エマはリーズという恋人ができて、アデルと別れたかったのでしょうね。男と寝た、寝たと...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

さびしくて、ただ無性にさびしくて

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉕〜

さびしくて、ただ無性にさびしくてエマは制作の仕上げに没頭し、リーズと毎日、夜遅くまでいる。アデルが帰っても誰もいない。同僚たちとの飲み会にアデルは行く。何度かデートをする相手もいた。ある夜、エマが先に帰っていた。車で送ってくれた彼はだれなのと詰問する。「彼と寝たのね」「二度か、三度」「なぜ黙っていたの」「よくわからない...