ゲイ映画のキメ台詞

LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

さびしくて、ただ無性にさびしくて

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉕〜

さびしくて、ただ無性にさびしくてエマは制作の仕上げに没頭し、リーズと毎日、夜遅くまでいる。アデルが帰っても誰もいない。同僚たちとの飲み会にアデルは行く。何度かデートをする相手もいた。ある夜、エマが先に帰っていた。車で送ってくれた彼はだれなのと詰問する。「彼と寝たのね」「二度か、三度」「なぜ黙っていたの」「よくわからない...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

イザコザなんて普通よ

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉔〜

イザコザなんて普通よ初の個展の準備にトラブルがあって、エマはイライラする。電話で大声を出し、早口で反撃する。そばで聞いていたアデルは、部屋の中をせかせか歩き回るエマに「イザコザなんて普通よ。私もよく揉める」ゆっくりという。エマより早くから社会人となったアデルは、職場の摩擦、意見の食い違い、トラブルや誤解に対してエマより...

こうしているのが私の幸せなの

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉓〜

こうしているのが私の幸せなのエマはいいます。「あなたが明るく満たされて、料理や家事をするのもいいけど、幸せになってほしいの」「こうしているのが私の幸せなの」とアデル。「なら、いいけど」アデルはエマの気のない口調を敏感に感じ取る。「そんなに責めないで」「責めてない」「リーズは昔の恋人?」「ちがうわ。彼女も画家よ」画家や芸...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

わたしはクリムトが好き

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉒〜

わたしはクリムトが好き好きな画家の話題になる。「わたしはクリムトが好き」とエマ。「わたしはエゴン・シーレが好き」と友人。「クリムトは華やかで装飾的だわ」「装飾的? 話にならない」とエマはバッサリ。「反対意見は切り捨てるの?」「シーレも大好きよ。もっとねじれていて暗くて重い。でもクリムトが好き」エマの圭角のある性格がよく...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

エマとアデルに。愛に。

〜アデル、なんてお前はいいやつだ㉑〜

エマとアデルに。愛に。エマの初めての展覧会を祝い友人、画廊関係者らがガーデンパーティに集まった。「わたしの美の女神で創造の源泉、アデルに」とエマは杯を上げる。「エマとアデルに。愛に」と友人らは祝福する。「きょうの料理も全部、アデルが作ったの」とエマ。十数人の招待者をもてなす裏方だ。アデルは大きな料理皿を何度も庭に運び席...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

努力する、全身全霊で

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑳〜

努力する、全身全霊で疲れをにじませたエマが訊く。「哲学の世界はどう?」「大好き。信じられないくらい奥が深くて。 情熱的で勉強するのが楽しい。何点くれる?」「14点(20点満点)。もう少し実践がいる」「努力する。全身全霊で」アデルの家で哲学の勉強は、それは楽しいものに違いない。初めてのとき、自分の胸に絡まったエマの脚をア...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

やっと会えたわ、会えてうれしいわ

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑲〜

やっと会えたわ、会えてうれしいわエマがアデルの家に招待されました。エマのおかげで、娘の哲学の成績がよくなったと母親は喜びます。画家になると収入の道が大変だろうと父親は心配します。「芸術家は生活に関心がないの」とアデル。父親は「生活のために堅実な職業に就くことだ」とアドバイス。エマはそうですね、と逆らわない。アデルはエマ...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

アデル、君の話をしよう

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑱〜

アデル、君の話をしようアデルがエマの家に招待されました。エマの父は亡くなり、母親は再婚しています。継父は料理が好きで、娘の客のために腕をふるう。父親が「アデル、君の話をしよう」と促し、さりげなくとてもスマートに聞き役に徹する。根ほり、葉ほり、立ち入った質問があっても、アデル、つまり話し手は、自分を理解するために必要な問...
LGBTシネマ365日別冊 1日3分「ゲイ映画のキメ台詞」

女性のほうが好き? 両方?

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑰〜

女性のほうが好き? 両方?エマは難しい性格ですが、アデルの訊くことにひとつも嫌な顔をしません。「なにが? 女性が? キスしたことが?」「初めてキスしたの」「14歳くらいかな」「女性のほうが好き? 両方?」レア・セドゥは屈折した気難しい役が多いのですが、ここでアデルを見る視線はこよなくやさしい。レアが笑うと贅肉の無い頬に...

お腹がいっぱいでも食べられる

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑯〜

お腹がいっぱいでも食べられる食べることが好きかと聞くエマに、「大好き。お腹がいっぱいでも食べられる、食べつくすの」とアデルが答える。「食べる」「食べつくす」… なんでもない無邪気な会話のようでいて、エマを見つめるアデルの目に、エロチシズムが立ちのぼっています。「初めて味わったのは何歳?」とアデルが訊く。「何を?」とエマ...