Diversity Studies

わたしの存在価値がない

〜祝「映画史上最高のLGBT映画1位」キャロル35〜

自分を偽って生きたのでは、わたしの存在価値がない 弁護士を交えた親権の審問で、キャロルは女性の恋人の存在を認め、 親権は父親に委任し、面会権だけは認めてもらう、 娘をだれにも渡さず、二人で閉じこもって暮らすことも考えたが、 自分を偽って生きたのでは、わたしの存在価値がない、 面会権を認めないなら裁判に訴え...

「 SOU!ルーム〜衛澤さんのちょっとええやん」VOL.1

VOL.1 「LGBT」でいいのかな?  天ぷらやフライは平気なのにカツを食べると胸焼けがする衛澤です御機嫌よう。 はじめましての方がほとんどと思いますので先ずは自己紹介を。  衛澤創(えざわ・そう)と申します。昭和生まれのおじさんです。精神障碍者で性同一性障碍者でゲイでヲタクでもの書きというマイノリティの中のマイノリ...

いうべきだった、待っていてと

〜祝「映画史上最高のLGBT映画1位」キャロル34〜

いうべきだった、待っていてと「待っていて」そういうべき相手とはもちろんテレーズです。このセルフを聞いたときは、コソッと笑ってしまった。だって思わない? 永遠の夜明けだ、ヘチマだと、ややこしいことを書くより、「待っていて」と一言書くか、言うかしていれば、泥沼の係争だろうと何だろうと、それこそ「永遠の夜明け」を信じてどっち...

テレーズは?

〜祝「映画史上最高のLGBT映画1位」キャロル33〜

   テレーズは?「耐えられない」と嘆くキャロルに、アビーは「テレーズは?」と尋ねます。キャロルにつける薬はテレーズしかないことがわかっている。パッと頭を上げたキャロルは「連絡あった?」性急に訊く。「ないわ」キャロル、がっくりして「1カ月以上前に電話があったけど」自分から何もいわず切ったのだから、だれにも、どこにも文句...

もう耐えられない!…

〜祝「映画史上最高のLGBT映画1位」キャロル32〜

もう耐えられない!キャロルは最高に頭にきています。夫の実家が指示する、高名な精神科医のセラピーを受け(当時ゲイは病気とみなされていました)、昼食会では円満な夫婦を装う。うっぷんを聞いてくれる相手はもちろんこの人、親友のアビーです。「気取ったランチを何回やれば気がすむの? もう耐えられない!」 頭を抱えている。アビーはち...

キャロル、会いたいの、たまらなく…

〜祝「映画史上最高のLGBT映画1位」キャロル31〜

キャロル、会いたいの、たまらなく…旅先で別れたきり、「連絡を取り合わないこと」になったから、キャロルがどういう状態にいるかテレーズにはわからない。親権の係争で、キャロルがたぶん最悪の状態にいることは察するのですが、それでも会いたくてたまらない。ひっそりと電話したら、受話器を取ったキャロルは無言のまま、切った。そもそもテ...

私たちの人生には永遠の夜明けが待つ

〜祝「映画史上最高のLGBT映画1位」キャロル30〜

 

 私たちの人生には永遠の夜明けが待つキャロルがテレーズに書いた手紙です。詩的ですけど抽象的で、これじゃテレーズが「棄てられた」と思ったの、無理ないわね。よく読めばキャロルが書いているのは、緊急措置として一時的に距離をおくけれど、いつか事態が収拾したら迎えに行く、それまでは波風立たせたくない、今は性急に解決や説明を求めな...

「キャロルは?」「朝早く発ったわ」

〜祝「映画史上最高のLGBT映画1位」キャロル29〜

  「キャロルは?」「朝早く発ったわ」 盗聴テープを手に入れた夫側は強気に出る。 キャロルは弁護士との打ち合わせのため急遽ニューヨークに 戻る。 残されたテレーズをアビーが迎えに来ていた。 「キャロルは?」「朝早く発ったわ」「戻ってくる?」 「いいえ」 置き去りにされたテレーズはショックで落ち...