覚えておけ!
カゴに入った貝殻みたいなものをガラガラとかき混ぜながら
教授、リー・ミンを見ようともせず
「君は時間の観念がなっていない。昨晩は夜の9時に電話をかけ、
今朝は1時間の遅刻だ。私はもう休憩の時間だ」
リー・ミンは一昼夜汽車に揺られてたどり着いたのだ。
でも大先生にそんなことは関係ない。
「覚えておけ。夜9時以降は一切教授の邪魔をするな」
初めて来る実習生に先生の習慣、わかるはずないでしょ。
それに自分で自分を教授と呼ぶか?
この専制君主の元で務まるのだろうか。
〜「中国の植物学者の娘たち」〜