ともあれ彼女は生き延びた
原っぱに倒れた赤い自転車。ナレーションが入る。
「ともあれ彼女は生き延びた。太陽に渇き、泥に汚れながら
イノギさんは帰ってきた」
語りはイノギさんと共にヒロインを演じるホリガイです。
彼女は大学の社会学科の4年生。
出身地の和歌山の県児童福祉課に就職が内定し、
あとは卒論を提出するだけのお気楽な立場だ。
この映画は一見、青春モノの明るい雰囲気を帯びていますが
暴力と闇が根っこにある、けっこう重い作品です。
中心は、ホリガイがイノギさんへの感情を
自覚するまでのプロセスで、
散漫だった彼女の心や生き方が、さまざまな出来事を経て
緩やかに変わっていく物語です。
〜「君は永遠にそいつらより若い」〜