館はどこ?
ブルターニュのはずれにある貴族の館にマリアンヌは呼ばれた。
伯爵令嬢の肖像画を描くためだ。
館は孤島にある。
キャンバスが海に落ち、飛び込んですくい上げたマリアンヌは
濡れネズミになって島にたどり着く。
案内人に館はどこと聞いたら「坂を登ってまっすぐだ」
崖をよじ登るような険しい坂で、
重い画材を両腕に、背中にも抱えてよろめきながら登る。
18世紀。身分差は厳しく雇った画家に誰も迎えに来ない。
絶海の海と切り立つ崖のロケーションが風雲をはらんでいます。
〜「燃ゆる女の肖像」〜