行先はノアールムーティエ島

 

みな何か隠している

 

島に来た夜兄妹はレストランで乾杯する。

「ママに」「クラリスに」「ママと呼ばないのだな」

「私のママはアンヌ=ソフィーよ」

「みな何か隠している気がする。ママの死について」

「私は5歳だった。父親なら子供に母親の悲惨な詳細は話さないでしょ」

アントワーヌは考え込む。

そうじゃない。そういう沈黙とは違う。どこか不自然なのだ。

〜「ミモザの島に消えた母」〜

 

 

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