(ワン先生の村)

 

(ワン先生の村)

 

アンが来たのはワン先生の山寺だ。

アンのただならぬ様子に、ワン先生は慈眼を曇らせる。

その夜、アンは眠れない。粗末なベッドに虫まで上がってくる。

無性に腹が立ち、そばの金ダライで乱暴に叩き潰そうとしたが、

実は虫などどうでもいい、ただ情けなく

やけくそに振り上げ、振り下ろしていたが思い切りほうりなげる。

カンカラカーンと響き渡る音まで、

自分を嘲笑しているように聞こえる。アンは泣き伏してしまった。

 

〜「中国の植物学者の娘たち」〜

 

 

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