認定特定非営利活動法人Rebit（りびっと）は、「教職員研修版 Ally Teacher’s Tool Kit」（アライ先生キット）を無料公開。本教材キットは、2019年にグッドデザイン賞を受賞した小学校高学年版・中学校版に続く、第3弾として作成されました。
教職員がLGBTQについて学び「アライ」になる教材
認定特定非営利活動法人Rebit（以下、Rebit）は、2021年3月1日（月）に、「教職員研修版 Ally Teacher’s Tool Kit」を無料公開しました。本教材キットは、2019年にグッドデザイン賞を受賞した小学校高学年版・中学校版に続く、第3弾として作成。教職員が多様な性について学び、LGBTQの理解者である「アライ」になるための教材キットです。
「Ally Teacher’s Tool Kit」は個人のeラーニングにも、教職員研修にも使えます。また、映像等は無料でダウンロードまたは取り寄せることが可能。修了後に、無料で参加できるオンラインコミュニティでは、定期的にオンラインイベントを開催。LGBTQの理解者である「アライ」の先生を、校内外の研修や自学で育成する教材です。
「教職員研修版 Ally Teacher’s Tool Kit」が必要な理由
思春期・第二次性徴期は、特にセクシュアリティについて思い悩む時期。LGBTQの68%がいじめを経験しており、自死念慮は第二次性徴期（小学校高学年～高校）がピークです。内閣府の「自殺総合対策大綱」にも、「自殺念慮の割合等が高いことが指摘されている性的マイノリティについて、無理解や偏見等がその背景にある社会的要因の一つであると捉えて、教職員の理解を促進する」と明記されています。
しかし、2014～2015年のRebitの調査では、教職員の9割はLGBTQについて学んだことがないという結果が出ています。現在、一部の中学校・小学校の教科書にLGBTQについての内容が掲載されるようになりましたが、教職員自身が学んだことがないためにどのように教えればいいのかを戸惑ったり、適切に教えられなかったり、偏った情報を教えてしまうことがあります。
また、相談をしてくれる子どもがいた場合、どのように対応をしたらいいのかという教職員の不安や疑問の声もあり、教職員がLGBTQについて学ぶことが求められています。
「教職員研修版 Ally Teacher’s Tool Kit」の内容
「Ally Teacher’s Tool Kit」は、LGBTQの子どもが過ごしやすい学校を作る「アライ先生」となり、子どもたちに授業を通じて多様な性を伝えるための、教材キットです。2017年に第1弾として中学校版、2018年に第2弾の小学校高学年版を公開。寄付により教材キットを無償配布し、教職員が主体となって学校を安心・安全な場にするという社会モデルに対し、2019年にグッドデザイン賞が与えられました。
第3弾は「教職員研修」に特化。LGBTQの基礎知識はもちろん、LGBTQの子どもの困りごとや相談への対応、LGBTQの子どもにとって心理的に安全なクラス作りについて、教職員が学べる構成になっています。
◇「Ally Teacher’s Tool Kit」紹介ページ ： https://rebitlgbt.org/project/kyozai/teacher/
「Ally Teacher’s Tool Kit」は次のものがセットになっています。
1．説明書
2．映像（約40分間の動画教材）
LGBTQの若者たちの実体験から、子どもの困りごとや先生としてできることを学べます。
3．ワークシート・配布資料
映像内で使用するワークシートや、研修内容をまとめた配布資料。
4．研修計画書
本教材キットを活用し、教職員研修を行う際の研修計画書（60分間の研修を想定）。教職員研修を行う際に活用できます。
上記に加え、受講後には研修を受けたことを示す修了証や、アライ先生宣言書が発行されます。さらに、オンラインコミュニティでは定期的な勉強会への参加、教職員同士の交流や情報の共有などが可能。コミュニティへの参加は無料です。
教職員研修用 Ally Teacher’s Tool Kit
【教材キット紹介ページ】
https://rebitlgbt.org/project/kyozai/teacher/
【制作】
認定特定非営利活動法人ReBit
info@rebitlgbt.org
◇公式webサイト ： http://rebitlgbt.org
◇公式Twitter ： https://twitter.com/Re__Bit
◇公式Facebook ： https://www.facebook.com/Re.Bit.LGBT