愉しみを知れ!
トマがニナに訊く。
「彼氏はいる? 大勢? 君は処女?
ちがう? なら恥ずかしがるな。愛し合うのは好き?
こういう会話ができないと」
他の女の子たちにとってはごく普通の会話なのですが、
ニナには特殊な話題だ。トマはそう思っている。
そこで「君に宿題を出そう。家に帰り、自分で触るのだ。
愉しみを知れ!」
トマって意地悪で冷酷で強引で、嫌な男に見えますが、
実はニナに悪戦苦闘なのよ。
「愉しみを知れ」なんていう必要がある生徒なんて、
もう、どんなやっちゃ。
〜「ブラック・スワン」〜