わずかな知識で偉ぶるな
両親が娘の荷物を持って寮に来ました。
母親は車椅子です。
夕食を一緒にとる。
「マルテ一家は地球誕生が6000年前だと信じているのよ」
楽しそうに話すテルマに「もうやめろ」ピシャッと父。
「他人をあざけるな。そういう態度は嫌いだ。
わずかな知識で偉ぶるな」
テルマは戸惑う。誰でも戸惑う。
おかしいわよ、このお父さん。何が気にいらないのよ。
この疑問は以後ずっとついて回ります。
やがて、気にいらないのではなく、学力であれ、恋愛であれ、
テルマに何らかの力のつくことを恐れているとわかりますが、
いけすかん親父だよな。彼、お医者さんだって。へーっ。
〜「テルマ」〜