お前らは牙を剥け
「いま男どもは口紅をさして舐め合いだ。お前らは“汚れ”でいけ。
牙を剥け」
男の影に隠れた存在ではない、時代を引き裂く激しさが欲しい。
ジョーンもサンディも10代、少女といっていい年齢だ。
キムの意図を飲み込むのも早かった。
ドラムのサンディの他に、リードギターのリタらが加入した。
「練習をサボるな」キムの檄が飛ぶ。が、彼は不満だ。
まだ「牙を剥いていない…このバンドに足りないものを見つけた」
ヴォーカルだ。キムはスカウトに出る。
「君、いいよ。ボウイとバルドー的だ。男なんか蹴飛ばすって目つきが」
そんなことをいって声をかける。
ジョーンは一人、あの子なら…印象に残っている女の子がいた。