席を離れちゃダメ
チェンチの現実と妄想が入り混じるシーン。
ミア・ファーローの独壇場です。
誰もいない部屋、チェンチの独り言をレオノーラが耳にとめる。
誰も座っていない椅子に「し〜。マミーが寝ているの。断言するわ。
マミーの心を傷つけることは絶対にしないって。
席を離れちゃダメ。これ、食べて。母親は母親よ。立派な職業よ。
あなたならパスポートに先生と書く。私の場合は?
チェンチ・エンゲルハート、処女。それが私のすべて。
どうぞ、触っていいわよ。やめて、手をどけて。
あの声がそんなに好き? 私に触らないで。その汚い手をどけて」
孤独な妄想にいるチェンチを、レオノーラが痛ましく見つめます。
それにしてもこの独り言の内容はなんだ?
チェンチは義父に暴行されたのか、それとも受け入れたのか、
しかし自ら処女と言っているが…
ミア・ファーローのとりとめのないセリフ劇が絶品です。