どうせ短期間ですから

 

どうせ短期間ですから

 

フィアマの返事は冷たい。木で鼻をくくったように

ここにいるのは「どうせ短期間ですから」

あなたたちと打ち解けることなんか、ドウデモイイと言わんばかり。

エヴァ先生もカチンとくる。彼女はフィアマの保管記録を

盗み読みしたから察しはついている。スペインの貴族とかの家で

厄介払い同然にここへ来たお前が何を言う…

先生は数人の生徒の名を挙げ、「みんな迎えを待っている、でも

ダイだけが現実を知っている」と突き放す。

エヴァ先生自身が、迎えに来る人の誰もいなかった「生徒」だった。

この女子学園の前身は触れられていませんが、

少なくともエヴァ先生の口調には

「家族が迎えに来るような恵まれた子供たちばかりではない」

という口吻があります。

 

(「汚れなき情事」 )

 

bn_charm