偽物に心を奪われるなんて

偽物に心を奪われるなんて

 

詐欺師の伯爵にたぶらかされているお嬢様。

「なんて哀れなの。偽物に心を奪われるなんて」

珠子は内心、悲憤慷慨しています。もともと自分も仲間ですけど。

お嬢様は珠子に

「母は私を産んで死んだの。私が殺したようなものだわ。私なんか

生まれなければよかった」と悲しむ。

「そんなことありません。お母様はきっとこうおっしゃったはずです。

死ぬ前にお前を産めて幸せだったと。悔いはなかったはずです」

実はこれ、珠子の母親が縛り首になる前にそう言ったと、

詐欺師の女ボス(珠子の育ての親)から聞いた言葉です。

お嬢様は感激する。そんなこと誰も言ってくれなかった。

お嬢様も珠子が好きになります。

 

(「お嬢さん」 )

 

bn_charm