でも一度きりよ
「私を幸せにできるのはあなただけよ」とまで言うビリティスに
メリッサは引導を渡します。
「よく聞いて。とても心地よかったし少しも後悔していないわ。
でも一度きりよ」
「そうなの?」「もう二度とやらない」「あなたがイヤでも私はやりたい」
「言ったでしょ。ダメなの」「私に飽きたのね」「…」
ビリティスは断言する。「私のことがいちばん好きでも男が必要なのね」
若さって、真実を直感してのち、意味や理屈がついてくるところが
ありますが、このときのビリティスがまさにそう。
でもメリッサには、ビリティスと愛し合ってどうなるというのか、
袋小路でしかないことが見えています。