6700ドル送金して
本作のどうしようもなくいい男にあげた一人が、刑事ハルを演じる
ハーヴェイ・カイテル。映画界の荒波に耐え抜いた苦労人です。
やっと芽が出た「地獄の黙示録」では、主役にもかかわらず監督と意見を異にして降板、
ハリウッドのステレオタイプに嫌気がさし、
ヨーロッパでリドリー・スコットの作品に地道に出演し苦楽を共にしました。
そして本作。世間の酸いも甘いもかみわけた、情のある警官像を造型し、
俳優として復活しました。
もう一人がルイーズの恋人ジミーのマイケル・マドセン。
結婚しないというルイーズを愛し、彼女がピンチのときは理由も聞かず、
6700ドルの大金を用立て、飛行機に飛び乗る男。
キャスティングには自信のあるリドリー・スコットが、「エイリアン」や
「ブレード・ランナー」のSF系とは違う、市井の女性を描くために、
満を持して臨んだ陣容でした。