「売春婦なの?」「そうだよ」

「売春婦なの?」「そうだよ」

 

セルビーが身を寄せている叔母は、アイリーンを一目見て

「彼女は売春婦よ。家に連れてこないで」といった。

「あなたは売春婦なの?」とセルビーは訊く。

「そうだよ」とアイリーン。

「あなたと過ごすために男たちはお金を払うのね。すごいわ。男たちが

きっと並んで待っているのね」

冗談か本気かわからないセルビーのほめ方に

「どうかな。そんなでもないけど」

いつも決然としたアイリーンが、珍しく戸惑っている。

 

(「モンスター」)

 

 

bn_charm