キャロル20160310

 

「…なあに」「…別に」

この映画は劇場で見て、DVDはまだ発売されていません。
記憶にある限りのセリフを、メモを起こして書いてきました。
もっとあったいいセリフや、魅力のある登場人物はまたの機会に譲りたいと思いますが、今回のおしまいはこれ。
キャロルは自分を裏切った、置き去りにした、でも会いたい、でも腹がたつ、テレーズは葛藤にからまれています。
そこへキャロルが会いたいと言ってくる。
キャロルは最愛の娘と引き離される悲しみに投げ込まれていました。
親権を諦め、テレーズといっしょに暮らすことを選んだからです。
子供のことで狂いそうになる母親の気持ちが、若いテレーズにわからなくても、今はやむをえないとして。
会いたいと言ったのは、約束通り、テレーズを迎えられることになったから。
でも生真面目で、そのためときとすれば気難しくなるこの恋人たちは、顔を合わせてすぐ、何事もなかったようなさりげなさを装います。
「なあに」とテレーズ。
まるで今さら何か用かと言わんばかり。
キャロルも負けておらず「別に」。
後でこのシーンを思い出すと、特にテレーズの意地っ張りに笑ってしまいます。
この後に続く沈黙のラストシーン、女優二人がとてもいいですよ。

(「キャロル」)