キャロル20160504

 

「You belong to me」

マンハッタンの真冬にはめずらしい暖かな日差しの降り注ぐ午後。
キャロルは車のラジオを入れる。流れてくるのがこの歌。
「忘れないで わたしは いつも あなたとつながっている」
テレーズの心は、キャロルのそばにいる喜びであふれている。
ニューヨークからニュージャージーに行く途中、長いリンカーン・トンネルがあります。
原作には、車がトンネルに入った時、テレーズは不意にこんなことを考えたと書いています。
「もしここでトンネルが落ちて二人とも死んだら、私たちの遺体はいっしょに発見されるのだ」
…手がつけられないとはこのことね(笑)
テレーズとキャロルの出会いを時系列で追うとこうなります。
12月19日(木)デパートのおもちゃ売り場で。
   20日(金)キャロルからお礼の電話、相手がおもちゃ売り場のテレーズだとわかり、翌日の昼食を一緒にとることに。
   21日(土)ランチ。「休みの日は何をしているの?」「何も」「うちへ来ない?」で、テレーズ訪問を約束する。
   22日(日)キャロルの家で何だ、かんだ、楽しくしゃべっていたら旦那が来て、娘のことで気まずい言い合い。
         キャロルは不機嫌になり、テレーズを列車で帰す。列車の中でテレーズは泣きじゃくる。
         帰宅と同時にキャロルから無礼を詫びる電話。
         「許してね。明日会ってくれる?」なんて言っている。  
         「ええ、かまいません」とテレーズ。
だから23日も会い、後で分かるように24日も会い、25日には車で出発。
要するにこの二人、初めて出会ってから毎日会っているのです(笑)
「You belong to me」は、映画と同じ時代、1952年のヒット曲です。 

(「キャロル」)