仲が良すぎるわ
でも「仲がいい」ことに居心地の悪さを感じる人もいます。
刺青師のデビーがそういう種類の人でした。
カフェのみんなが嫌いでもない、憎んでもいない、
ただ「家族団欒」とか「仲良し、こよし」が苦手な人。
アットホームな雰囲気にいると、理由もなく
疎外感を覚えてしまう。
自分のいる場所じゃないと感じてしまう。
デビーが長い間、バグダッド・カフェに逗留できたのは
彼女のボヘミアンの気質にあっていたからです。
「デビー、出ていくのかい?」
トランクを持ち出した彼女、「みんな、仲が良すぎるわ」
デビーを演じたのはクリスティーネ・カウフマンです。
この時42歳。ドイツ人の女優です。
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督「リリー・マルレーン」
女だけの精神病院で
美しく狂っていく女性を描いた「愚か者の日」は
ヴェルナー・シュローター監督。
ニュー・ジャーマン・シネマの旗手の元でのいい作品に
出演しています。
〜「バグダッド・カフェ」〜