シャーリー・マクレーン

私たち、うまくいくはずないわ

〜「噂の二人」の謎⑮〜

私たち、うまくいくはずないわ カレンは別離を言います。「あなたは信じているかもしれない。でもわからない。何度聞いても、あなたが信じても私の不安は続くわ。いつまでも離れないのよ。私たち、うまくいくはずないわ。離れていて。少しだけ。私からも、愛や哀れみからも。別々に出発しましょう。きっとわかるわ。私たちの本心が」...

結婚にも別の意味がある

〜「噂の二人」の謎⑭〜

結婚にも別の意味がある カレンは続けます。「意味が変わったの。子供、愛、友だち、女、どの言葉も危険だわ。結婚にも別の意味がある」結婚の「別の意味」ってなんでしょう。ゲイをカモフラージュするための結婚もあるのではないか?という意味に受け取れるのです。 (「噂の二人」 )  ...
火

今のはなに? 避けたわ

〜「噂の二人」の謎⑬〜

今のはなに? 避けたわ 「田舎に医者の口があったんだ。3人で暮らせる。新しい土地で再出発だ」ジョーはそうカレンにいいにきました。カレンはキスしようとした…「今のはなに? 避けたわ」このセリフが唐突に発せられます。観客もたぶん何のことかわからなかったと思います。「タバコを消したんだ」とジョー。手にしたタバコを消...

文化全体が変わりつつある

〜「噂の二人」の謎⑫〜

文化全体が変わりつつある このセリフは、一文無しになって姪の学校に舞い戻った叔母さんがいうのです。厄介者で人の災難を喜び、物事をかき回すどうしようもない叔母さんだけど、逸脱者独特のセンサーで、「文化全体が変わりつつある」と、適確な見通しを口にします。もう少しこの叔母さんに喋らせたら面白かったのに、ワイラー監督...

あの二人と関係を絶つなら

〜「噂の二人」の謎⑪〜

あの二人と関係を絶つなら カレンの婚約者ジョーも偏見は免れませんでした。勤務先の病院から解雇されたのです。上司は「君自身ではなく君の交友関係が問題なのだ。病院には口うるさい連中もいる。君があの二人と関係を絶つなら」在職させようといいます。ジョーは病院を辞める。カレンを裏切らない。誠実な行動だったと思いますが、...

自分がわからないわ

〜「噂の二人」の謎⑩〜

自分がわからないわ カレンとマーサはティルフォード夫人を名誉毀損で訴えたが裁判は負ける。ますます噂と嘲笑は高まる。二人は誰もいなくなった学校に、二人だけで引きこもる。「まるで目の覚めない悪夢よ」とカレン。「自分がわからないわ」と続く。「じき結婚でしょ。何もかもよくなる。私もうれしいわ」とマーサ。自分がわからな...

マーサと私が恋人同士だというの

〜「噂の二人」の謎⑨〜

マーサと私が恋人同士だというの そう、カレンはジョーにいう。マーサは怒る。「名誉棄損で訴えます」ティルフォード夫人「帰って。汚らわしい」この映画は1962年の公開です。まだまだ同性愛に対する偏見は大きかったけれど、ワイラー監督は当時としてはいいにくかったであろうことを、この後セリフにしています。順に見ていきま...

カレンとの結婚はダメ

〜「噂の二人」の謎⑧〜

カレンとの結婚はダメ カレンの婚約者ジョーは、孫から「秘密」を聞いたおばあちゃんの甥でした。おばあちゃん、ティルフォード夫人は甥に聞きます。「結婚は? 彼女は決心がつかないの?」「問題は学校だ。軌道に乗るまでは」「マーサのことも? カレンと結婚したらダメ。彼女は正常じゃない」ジョー、たじろぐ。そこへ噂の根源が...

興味の対象は学校とカレンだけ

〜「噂の二人」の謎⑦〜

興味の対象は学校とカレンだけ マーサの叔母、モーター夫人は三度の飯より噂話が好き。「姪御さんが異常だとか」と水を向けられただけで、あとさき考えず、堰を切ったように喋り出す。「全く異常よ。普通なら恋人か夫がいて当たり前の年齢よ。あの子は違う。男が好意を持っても知らんぷり。興味の対象は学校とカレンだけ。夜中まで働...
火

聞いたのよ、変な音を

〜「噂の二人」の謎⑥〜

聞いたのよ、変な音を カレン先生にお仕置きを言い渡されたメアリーは、腹いせに、セレブのおばあちゃんにことば巧みにカレンとマーサの「変な関係」を吹き込みます。この子のイケズ度は映画史上トップクラスですね。ワイラー監督はすごい子を見つけたものです。最初は相手にしなかった祖母も「変な秘密なの。ライト先生(カレン)が...