レイチェル・ワイズ

なぜアヒルがここに?

〜 「女王陛下のお気に入り」10

なぜアヒルがここに?   ハーリーと大蔵卿が長椅子に座っている。 「なぜアヒルがここに?」ハーリーが聞く。 大蔵卿はアヒルを膝に置き、撫でているのだ。 彼らは戦時を預かる責任者たちだ。 長いキセルでタバコをふかすお化粧ベタベタのハーリーは 野党のリーダーというより女衒...

伯爵、泣き言はやめて

〜 「女王陛下のお気に入り」9

伯爵、泣き言はやめて   父親の借金のカタに売られたアビゲイルの身の上を聞いたサラは 自分の女官とする。 個室を与えられ、意地の悪い女中仲間を我慢する必要もない。 アビゲイルは見違えるように磨き立てられた。 長い宮殿の廊下をサラに付き従って歩く。 「伯爵、泣き言はやめ...

牛肉を当てて

〜 「女王陛下のお気に入り」7

牛肉を当てて   女王には痛風の持病がある。 激痛にのたうつ女王は大泣き。サラが走ってくる。 「牛肉を当てて」(熱をとるのに用いる) 手当しながらサラが語りかける。 「私たちの出会い、覚えている?」 「意地悪な男の子が私を押さえつけ、顔中にヨダレを垂らした」 「...

無礼者!目を閉じよ

〜 「女王陛下のお気に入り」6

無礼者!目を閉じよ   女王とは絶対君主です。その君主は気が変わりやすい。 無理もない。17人の子供を亡くした上、国家の重責を担うのだ。 孤独にも情緒不安定にもなる。夫はいるが本作では登場なし。 廊下を歩く女王が、部屋に入ろうとする。 警護をする従卒と目があった。 「...

アナグマね

〜 「女王陛下のお気に入り」5

アナグマね   「それは何?」とサラ。 「ロシア大使に会うため、印象的なメークにしたの」と女王。 サラは鏡を突きつけた。 自分の顔をつらつらと見た女王。しょんぼり。 「アナグマね」とつぶやく。 サラは急いで女王の居室に戻り、化粧をやり直す。 言いたいことを言うサ...

くそ女!

〜 「女王陛下のお気に入り」4

くそ女!   サラが女王を意のままに動かすことが、男性閣僚は面白くない。 野党のハーリーは停戦講和派のリーダーだ。 サラは推進派。意見が対立している。 当時の貴族は宮殿内の慣習として、コテコテに化粧し 真っ赤な頬紅を塗り、ルージュをひき、 大きなカツラをかぶっていた。...

ここで雇ってください

〜 「女王陛下のお気に入り」3

ここで雇ってください   第3の主人公、アビゲイル登場。 貴族の家に生まれたが父親が借金のカタに売り飛ばし 身を沈めて生きてきたが、 従姉妹にあたるサラを頼って宮殿に 「ここで雇ってください」と頼む。 (アビゲイルなんて従姉妹、いたっけ?)とサラ。 臭い衣服にサ...

あなた気が変よ。私に宮殿を?

〜 「女王陛下のお気に入り」2

あなた気が変よ。私に宮殿を?   サラを目隠しして女王は隠し扉から自室に連れて入る。 目隠しをとってやる。 目の前には豪壮な宮殿の模型が。 「あなた気が変よ、私に宮殿をくださるの? 戦時下なのに浪費がすぎるわ」サラがたしなめる。 「戦争は勝ったのよ」「まだよ」「知らな...

サラ、子供たちに挨拶を

〜 「女王陛下のお気に入り」1

サラ、子供たちに挨拶を   18世紀初頭のイングランド、 アン女王(在位1707〜1714)の治世です。スペイン継承戦争で 英国はハプスブルク家(オーストリア側)についた時代。 アンが話しかけているのはマールバラ公爵夫人サラだ。 2人は幼馴染で、サラは女王の側近中の側近、 ...