ウーピー・ゴールドバーグ

結婚しよう、明日にでも

〜 「ボーイズ・オン・ザ・サイド」26

結婚しよう、明日にでも   エイブはホリーとの結婚を真剣に考えていた。 「結婚しよう。明日にでも」 「できないわ。彼は消えたわ。地下2メートルに」 ホリーは事件の顛末を打ち明ける。 「偶然の事故なのよ。殺したにしても正当防衛よ。 殺意はなかったの」 エイブ。名は...

男と寝れば死を忘れるとでも?

〜 「ボーイズ・オン・ザ・サイド」25

男と寝れば死を忘れるとでも?   祭りの夜、アレックスとうまく行ったかとジェーンが訊く。 庭いじりをしながらロビンは不機嫌を隠そうともせず 「私がHIV陽性だと教えたのね。男と寝れば死を忘れるとでも? 恐怖を思い出させるだけよ。アレックスもホリーも赤ん坊も、 命あるものすべ...

愛していると言ったのに

〜 「ボーイズ・オン・ザ・サイド」24

愛していると言ったのに   恋愛経験はあるがロビンはどことなく寂しげだ。 「別れて初めて、あれが最後のセックスだったとわかって 寂しくなるのよ。そうわかっていればもっと大切にしたのに」 ジェーンは黙って聞いている。 気を取り直すように「部屋に小包が」と言った。 ジェー...

ジェーン誕生日おめでとう

〜 「ボーイズ・オン・ザ・サイド」23

ジェーン誕生日おめでとう   3ヶ月後、ロビンは退院し、3人はツーソンに落ち着きます。 ホリーのお腹は大きくなっている。 ジェーンはクラブで仕事に就いた。 今夜はジェーンの誕生日だ。驚かそう。 ローソクを立てた大きなケーキを運び込む。 「誕生日おめでとう」和気藹々の場...

カーボーイブーツと馬を

〜 「ボーイズ・オン・ザ・サイド」22

カーボーイブーツと馬を   とんでもない質問だけど、ここは一体どこかと ジェーンがロビンに訊く。 「ツーソンよ」 「アリゾナの? マジ? それじゃカーボーイブーツと馬を飼わなきゃ」 ジェーンはそんな言い方で、 自分がロビンと一緒にとどまる意志を教えました。 ...

今いる場所にいることよ

〜 「ボーイズ・オン・ザ・サイド」21

今いる場所にいることよ   どこか痛むのかとうろたえるジェーンに 「私には行き場がない」暴れながらロビンが言う。 「行き止まりなのよ!」 死が迫ってくるだけ、逃げ場はない、どこにも行き場がない。 ジェーンが静かな声で言う。 「行き場がない時は、今いる場所にいることよ」...

私が白人だから?

〜 「ボーイズ・オン・ザ・サイド」20

私が白人だから?   「なぜ私は対象じゃないの」とロビンが食い下がります、 というより「対象じゃない」と言われたことが 寂しそうなのです。 「私が白人だから?」 「カーペンターズが好きだからよ。安心して」 ロビンはちょっと笑い、母親に連絡してくれと頼みます。 「...

ウソを許して

〜 「ボーイズ・オン・ザ・サイド」19

ウソを許して   具合はどうかと訊くジェーンに 「私、どこか知らない土地に行けば病気が消えるような気がして。 ごめんなさい。ウソを許して」 「ウソじゃなく、罪深い省略よ。これでおあいこね。 私もゲイであることを隠していた。 でもあなたは対象じゃないから心配しないで」 ...

エイズの典型的症状です

〜 「ボーイズ・オン・ザ・サイド」18

エイズの典型的症状です   ロビンが倒れた。病院に救急搬送される。 心配げに付き添うジェーンとホリー。 ホリーはジェーンの膝を枕にベンチで眠っている。 看護師が来た。 「肺炎を起こしています。エイズの典型的症状です」 驚くジェーンに「ご存知かと。1週間ほどで退院できま...

知らなかったの?

〜 「ボーイズ・オン・ザ・サイド」17

知らなかったの?   ロビンはジェーンがゲイであることをホリーから聞きます。 「知らなかったの? でも安心して。あなたじゃないわ」 「ジェーンを捨てたのはゲイの女性でしょ」 「ゲイ同士でも保証はないのよ。 彼女たちは感情が激しくて制服好みで裏切らない」 ホリーはそう見...