Diversity Studies

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慎み深さがとてもいい

〜サンローラン⑨〜

慎み深さがとてもいい   「君が喜ぶかと思って」ピエールが一枚の絵を持ってきます。 「有名な画家じゃないが、プルーストの寝室を描いた絵だ」 サンローランは一目見て気に入ります。 「慎み深さがとてもいい。部屋だけでなく、画家自身も。テーマから逸脱せず とても忠実に描いている。この絵の中に入...

ジャック・ド・バシュエールだ

〜サンローラン⑧〜

ジャック・ド・バシュエールだ   パーティで出会った男、ジャック・ド・バシュエール。 彼の危険な、野生的な男の匂いにサンローランは惹きつけられる。 彼はサンローランと一緒に夜な夜な、男たちのたむろする暗い街角を訪れ、 ドラッグをやり、セックスに耽る。 生活は荒廃した。ドラッグパーティでサ...

別の世界にいるのはあなたよ

〜サンローラン⑦〜

別の世界にいるのはあなたよ   母親は息子の本質を知っています。 「イヴ、別の世界にいるのはあなたよ」 「なぜそう思う?」 「現実世界とあまりにもかけ離れているわ。スーパーへも行かないし、電球も 替えられない」「替えなくてもいいものだよ」「切れたら?」 「ピエールが替える。いつだって」...

母さん、僕を愛してる?

〜サンローラン⑥〜

母さん、僕を愛してる?   お前の子供の頃の詩を見つけたわ、と母親が読んで聞かせる。 「君は幸せだ 全てを手にしている 富 美しさ 若さ  なんて素晴らしいことだ でも君はそんな人生に飽きた もう望んでいない」 サンローランが呼びかける。 「母さん」 そしてこれ以上やさしくはできないと...

夜、気分をくつろがせる薬も

〜サンローラン⑤〜

夜、気分をくつろがせる薬も   コレクションを控えると、緊張とストレスで眠れない。 医師の指示を受け、安定剤を服用するのですが、量が増えつつありました。 プレタポルテのアイデアはゼロ。焦りがつのる。 「夜、気分をくつろがせる薬を。飲むのはコレクションのときだけです」 医師は「お酒も控えて...

「出してくれる?」「開いてるよ」

〜サンローラン④〜

「出してくれる?」「開いてるよ」   ピエールがサンローランをクローゼットに閉じ込めた。 サンローランは暴れたり大声を出すような性格とはちがう。 しばらく静かにしていて「出してくれる?」と大人しく頼む。 「開いているよ」とピエール。 扉を開けたサンローランは何も来ていない。 彼にとって...

僕は33歳なのに100歳の気分だ

〜サンローラン③〜

僕は33歳なのに100歳の気分だ   ナイトクラブでサンローランはシャネルのモデルであるベティを 「僕の仕事をしてくれ」と直談判する。物腰こそ温和ですが有無を言わせない。 ベティはシャープな美人ですが、サンローランは容貌もさることながら、 自分の意図するムードのある女性が必要でした。 と...
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音楽を聴かせてほしい

〜サンローラン②〜

音楽を聴かせてほしい   サンローランは非常に物静かな青年です。マネージャーが春夏・秋冬の コレクションのスケジュールをとうとうと伝える。 モデルたちがひっきりなしに工房を出入りする。 サンローランは自分の席で、コンテを動かす手を止め(彼は左利きです) 微笑してささやくようにいう「音楽を...

ドヌーブの衣装ね

〜サンローラン①〜

ドヌーブの衣装ね   この映画はイヴ・サンローランの伝記ではなく、1967年から1976年の 10年間に限っています。サンローランがサンローランであるために 払った代償がテーマです。伝説的で解説的になるのを避けた、と ベルトラン・ボネロ監督の言うように、サンローランの私生活を可能な限り ...

いい言葉ね。帰りましょう

〜アトミック・ブロンド⑰〜

いい言葉ね。帰りましょう   ロレーンが特別機に機上しました。 待っていたのはCIA責任者。 事情聴取でロレーンが「彼を外して。CIAには聞かせたくない情報がある」 敵対を装っていた彼らはCIAのエージェントでした。つまりグル。 冷戦解決のためにアメリカが企てた計画、というのもハリウッド...