Diversity Studies

「SOU!ルーム〜衛澤さんのちょっとええやん」VOL.26

■理髪店の謎  10年ほど前は仕事の間中がぶがぶ飲んでいたコーヒーを何故かほとんど飲まなくなった衛澤です御機嫌よう。  みなさん、定期的に頭髪を整えるために理髪店なり美容院なりにお出掛けかと思いますが、インターネットをご利用のお若い方などは性別に関わらず美容院をご利用の方が多いのでしょうか。    前回は髪の話...

かわいそうなイヴ

〜サンローラン⑪〜

かわいそうなイヴ   モデル二人が撮影のためポーズをとっています。 一人は服を着て、一人は全裸です。 「ダーリン、イヴはどこ?」「知らない。香水の名前でしかないのかも」 サンローランがあまり姿を見せないので、サンローランなんて、 香水の名前じゃない? と彼のモード界からの消滅を匂わせてい...
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慎み深さがとてもいい

〜サンローラン⑨〜

慎み深さがとてもいい   「君が喜ぶかと思って」ピエールが一枚の絵を持ってきます。 「有名な画家じゃないが、プルーストの寝室を描いた絵だ」 サンローランは一目見て気に入ります。 「慎み深さがとてもいい。部屋だけでなく、画家自身も。テーマから逸脱せず とても忠実に描いている。この絵の中に入...

ジャック・ド・バシュエールだ

〜サンローラン⑧〜

ジャック・ド・バシュエールだ   パーティで出会った男、ジャック・ド・バシュエール。 彼の危険な、野生的な男の匂いにサンローランは惹きつけられる。 彼はサンローランと一緒に夜な夜な、男たちのたむろする暗い街角を訪れ、 ドラッグをやり、セックスに耽る。 生活は荒廃した。ドラッグパーティでサ...

別の世界にいるのはあなたよ

〜サンローラン⑦〜

別の世界にいるのはあなたよ   母親は息子の本質を知っています。 「イヴ、別の世界にいるのはあなたよ」 「なぜそう思う?」 「現実世界とあまりにもかけ離れているわ。スーパーへも行かないし、電球も 替えられない」「替えなくてもいいものだよ」「切れたら?」 「ピエールが替える。いつだって」...

母さん、僕を愛してる?

〜サンローラン⑥〜

母さん、僕を愛してる?   お前の子供の頃の詩を見つけたわ、と母親が読んで聞かせる。 「君は幸せだ 全てを手にしている 富 美しさ 若さ  なんて素晴らしいことだ でも君はそんな人生に飽きた もう望んでいない」 サンローランが呼びかける。 「母さん」 そしてこれ以上やさしくはできないと...

夜、気分をくつろがせる薬も

〜サンローラン⑤〜

夜、気分をくつろがせる薬も   コレクションを控えると、緊張とストレスで眠れない。 医師の指示を受け、安定剤を服用するのですが、量が増えつつありました。 プレタポルテのアイデアはゼロ。焦りがつのる。 「夜、気分をくつろがせる薬を。飲むのはコレクションのときだけです」 医師は「お酒も控えて...

「出してくれる?」「開いてるよ」

〜サンローラン④〜

「出してくれる?」「開いてるよ」   ピエールがサンローランをクローゼットに閉じ込めた。 サンローランは暴れたり大声を出すような性格とはちがう。 しばらく静かにしていて「出してくれる?」と大人しく頼む。 「開いているよ」とピエール。 扉を開けたサンローランは何も来ていない。 彼にとって...

僕は33歳なのに100歳の気分だ

〜サンローラン③〜

僕は33歳なのに100歳の気分だ   ナイトクラブでサンローランはシャネルのモデルであるベティを 「僕の仕事をしてくれ」と直談判する。物腰こそ温和ですが有無を言わせない。 ベティはシャープな美人ですが、サンローランは容貌もさることながら、 自分の意図するムードのある女性が必要でした。 と...
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音楽を聴かせてほしい

〜サンローラン②〜

音楽を聴かせてほしい   サンローランは非常に物静かな青年です。マネージャーが春夏・秋冬の コレクションのスケジュールをとうとうと伝える。 モデルたちがひっきりなしに工房を出入りする。 サンローランは自分の席で、コンテを動かす手を止め(彼は左利きです) 微笑してささやくようにいう「音楽を...