ドヌーブの衣装ね
この映画はイヴ・サンローランの伝記ではなく、1967年から1976年の
10年間に限っています。サンローランがサンローランであるために
払った代償がテーマです。伝説的で解説的になるのを避けた、と
ベルトラン・ボネロ監督の言うように、サンローランの私生活を可能な限り
掘り下げました。頂点に立った「モードの帝王」の内なる軋轢は
彼自身が言うように「僕の悲劇は競争相手がいないことだ」
それは永遠に自分を食い尽くすしかない才能の地獄でもありました。
スクリーンには、随所に、サンローランの工房の凄まじい制作ぶりが
あぶり出されます。上のセリフは1967年、カトリーヌ・ドヌーブはすでに彼の顧客となり、
次はフランソワーズ・アルディ、その次はシルヴィ・バルタンがウェイティングしていました。