Diversity Studies

マッチポイント

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」㉗〜

  マッチポイント   第1セット ビリー・ジーン。第2セットボビー。 これが真剣勝負だとボビーは気づいていた。 次第に口数が少なく、派手なパフォーマンスは影を潜めた。 ビリー・ジーン、ついにマッチポイント。 アストロノームを埋めた3万人の観衆が静かになった。 解説者席でビリ...

「会いたかった」「わかってる」

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」㉖〜

  「会いたかった」「わかってる」   シャリシャリ。黙ってカットするマリリンのハサミの音だけがする。 「会いたかった」とビリー・ジーン。 「わかってる」とマリリン。 「試合を見てって」と頼むビリー・ジーン・ 自分がいるだけで気が散ると言っていたビリー・ジーンをおもんばかって ...

髪型じゃない?

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」㉕〜

  髪型じゃない?   控え室。ロッカー前でビリー・ジーンを両親や夫が囲んでいる。 デザイナーのテッドは首をひねっていた。 ビリー・ジーンは全然格好にかまわないのだ。 「衛星放送で9000万人が見るのだぞ。なんだか変だな。靴かな」 「髪型じゃない?」と声がした。入り口からマリリ...

あなたは女性を敬えない

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」㉔〜

  あなたは女性を敬えない   試合開始の直前、解説者がジャック(全米テニス協会会長)と知り ビリー・ジーンは強硬に異議申し立て。 彼をおろさなければ自分が降りると断言した。 「意見の相違は忘れよう。君とボビーの試合だ」 「ボビー? 彼はただの道化よ。パソーマンスだけよ。 で...

たぶんヒューストンよ

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」㉓〜

  たぶんヒューストンよ   テレビは報道した。 「ボビーをバカにしてはいけません。スカートをはき流行の羊の群れで 飾り立てていても試合は負けなしです。 勢いを増すボビーに対し、ビリー・ジーンの状況は不透明です。 全米オープンを棄権してから誰も彼女を見ていません」 マリリンが...

負けたら一生許さない

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」㉒〜

  負けたら一生許さない   ビリー・ジーンはインフルエンザでした。 「熱がある」弱々しく体温計をグラディスに差し出した。 グラディスの目は冷たくきつい。 (こんな大事な時に風邪ひくなんて軟弱な)舌打ちしそうだ。 体温計をちらり。 「死にやしないわよ。はっきりさせておくわ。負...

もう練習はいらない!

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」㉑〜

  もう練習はいらない!   ボビーは強気でした。 「私は女子トップ(マーガレットのこと)を打ち負かした。 もう練習はいらない。もっと効率よく体力をつける方法がある」 そう言ってビタミン剤、プロテインなどサプリメントを1日400錠、 ザラザラと流し込んでいます。 しかもビリー...

私が勝てばね

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」⑳〜

  私が勝てばね   「10万ドルを賭けた試合が今日発表されました。 女子テニス界の覇者で、29歳のビリー・ジーン・キングが 55歳のボビー・リッグスと対戦します。ビリー・ジーンは お金のためじゃない、女子テニスとウーマンリブを守るためと。 ビリーは、女は男にかなわないと証明す...

私には夫が必要なの

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」⑲〜

  私には夫が必要なの   ボビーと妻プリシラは離婚の危機にあります。 妻はギャンブル依存症の夫に愛想をつかしている。 「ボビー、あなたを愛している。あなたは笑わせて楽しくさせてくれる。 奇抜なアイデアも面白い。あなたがやろうとしているビリー・ジーンとの 対決は素晴らしい。でも...

私はいないほうがいい?

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」⑱〜

  私はいないほうがいい?   マリリンがビリー・ジーンに問いかける。 「私はいないほうがいい?」 最大のプレッシャーの中に飛び込もうとしている彼女。 自分はいたほうがいいのか。 いて支えるべきだという発想はマリリンにありませんでした。 断崖に独り立つことを自分で選んできた女...