Diversity Studies

今は音楽を

〜 「女王陛下のお気に入り」17

今は音楽を   盛大な舞踏会が催された。 鹿肉のパイ、ホースラディッシュ、ご馳走山盛りの金銀の皿に 目もくれず、ハーリーが女王の目に出ると 「陛下、戦費の調達のため増税はおやめください」と発言した。 「退屈な人ね、ハーリー」とサラ。「今夜は舞踏会よ」 「陛下」ハーリー...

何事にも犠牲が伴う

〜 「女王陛下のお気に入り」15

何事にも犠牲が伴う   サラが広大な宮殿の庭でカモ撃ちをアビゲイルに教えている。 夫を戦地に送り出して心配ではないか、 「亡くなったら?」とアビゲイル。 「あなただって父上のために身を売った。何事にも犠牲が伴う」 アビゲイルは黙って聞いていますがちょっと考えが違う。 ...

薬草を摘み風邪をひきました

〜 「女王陛下のお気に入り」14

薬草を摘み風邪をひきました   長い廊下を車椅子で通りかかった女王。 侍っていたアビゲイルが激しく咳き込む。 無礼を詫び「薬草を摘み風邪をひきました」 薬草? 女王は車椅子を止めさせアビゲイルを見た。 アビゲイルにはそれで充分だった。 「薬草を摘みに」とわざわざ付け加...

どうか賢く、ご無事で

〜 「女王陛下のお気に入り」13

どうか賢く、ご無事で   サラの夫マールバラ伯(のちに公爵)は イングランド軍総司令官としてドイツ派遣が決まる。 「愚かな勇気など捨て、どうか賢く、ご無事で」と サラは夫を送り出す。 やさしい夫、名門の家柄、富裕な財産。 自分とはかけ離れたサラの身分。 凋落した...

たまには女も愉しみたい

〜 「女王陛下のお気に入り」12

たまには女も愉しみたい   「絡みすぎでは?」大蔵卿がサラをたしなめる。 彼はサラよりの貴族だ。 「男が誇りを失えば荒れ狂う」 サラは言い返す。 「たまには女も愉しみたい」 男の怒りは勇気や美談になり 女が同じ発言をすれば出る杭として撃たれる。 女も「たま...

飾りすぎの臭い老娼婦

〜 「女王陛下のお気に入り」11

飾りすぎの臭い老娼婦   女王代理としてサラが現れ女王の言葉を伝える。 「ハーリーは飾りすぎの臭い老娼婦、戦争は継続。 勝利を重ねてこそ交渉に有利と」 「戦費はどうする」 「土地税を倍に」 ハーリーが色をなす。 「国民は不満だ」サラはますますハーリーを挑発。 ...

なぜアヒルがここに?

〜 「女王陛下のお気に入り」10

なぜアヒルがここに?   ハーリーと大蔵卿が長椅子に座っている。 「なぜアヒルがここに?」ハーリーが聞く。 大蔵卿はアヒルを膝に置き、撫でているのだ。 彼らは戦時を預かる責任者たちだ。 長いキセルでタバコをふかすお化粧ベタベタのハーリーは 野党のリーダーというより女衒...

伯爵、泣き言はやめて

〜 「女王陛下のお気に入り」9

伯爵、泣き言はやめて   父親の借金のカタに売られたアビゲイルの身の上を聞いたサラは 自分の女官とする。 個室を与えられ、意地の悪い女中仲間を我慢する必要もない。 アビゲイルは見違えるように磨き立てられた。 長い宮殿の廊下をサラに付き従って歩く。 「伯爵、泣き言はやめ...