彼女を寝所つき女官にした
「アビゲイルと親密ね」サラが女王に問いかける。
「彼女は盗みで解任した」と続ける。
女王、沈黙。
「いつになく無口ね」
口を開いた女王。「彼女を寝所つき女官にした」
このままではすまないと察していたが、
ここまで進展しているとはサラも思っていなかった。
アビゲイルの立ち回りのうまさ、尻尾を掴ませない抑制力、
やり手であることは充分わかっている。
それは災にもなりうる賢さだ。
「わかっているの? 解雇して」
「それはダメ」
ダメな理由は
アビゲイルが夜の務めで満足させてくれるからです。
サラは開いた口がふさがらない。
〜「女王陛下のお気に入り」〜