僕はいない、からな

 

身内ですが入院先がわからなくて

 

襲撃された女性が気になって、エレーヌは関係先に問い合わせ

サン・ジョルジュ病院の緊急病棟だとわかった。

会いに行った。昏睡状態の危篤だった。

紫色の顔面にチューブを加えた女の姿にエレーヌは衝撃を受け、

見捨てておけなくなる。

夫は妻が少しでも家を留守にすると

狂ったようにケータイをかけてくる。

「なぜ電話に出ない! なぜ伝言を読まない!」

その頃ポールの母はホテルで寂しくテレビを見てベッドに。

エレーヌは病院の廊下の椅子で仮眠していた。

夫には便利遣いされ、息子には見放された女ふたりを

監督はセリフなしで映し出す。

 

〜「女はみんな生きている」〜

 

 

bn_charm