「来たのね」「来たわ」
アルマがキャロルの部屋に入る。
「来たのね」「来たわ」
「いつまでも好きよ。心配しないで」と言ったかと思うと
「もう抱き合うことも身を寄せるのもダメ。悪徳の怖さを知ったからよ」
アルマはかなり分裂症気味ではない?
部屋をジロジロ「あなたを愛した部屋はもっとキレイだった」
キャロル、ムカッ。
「私がいるでしょ! あなたが呼んだから来たのよ!」
キャロルは毛布を投げ、カーテンを引きちぎり、スタンドを倒して
怒りをぶつける。
キャロルはアルマを愛している、アルマの夫も妻に未練ありすぎ、
ナンバー5はアルマに手を出したくてウズウズ、
そうはさせるか。少女Aは「アルマは私のものよ!」と叫ぶ。
男も女も奪い合いたいアルマとは何者?
アルマとは「破滅」だと思います。
だから「死の天使」である少女Aがアルマのそばを離れない。
「前向き」とか「愛」とか「希望」という幸せファクターとは
およそ無縁の破滅オーラを放出しているのがアルマです。
だからその闇と危険に惹かれる。
〜「ラ・ピラート」〜