連合（日本労働組合総連合会）は、誰もが多様性を認め合い、互いに支え合うことができる職場・社会の実現をめざす取り組みの第一歩として、アンコンシャス・バイアス（無意識の思い込み、偏見）診断を実施しました。
5万人が回答したアンコンシャス・バイアス診断
連合が2020年6月10日（水）～11月11日（水）にGoogleアンケートで実施したアンコンシャス・バイアス（無意識の思い込み、偏見）診断は、有効回答者数が50871名という近年まれな回答者数となり、アンコンシャス・バイアスについての関心の高さがうかがえる結果となりました。
アンコンシャス・バイアス診断の設問は、下記の20問。「自分に思い当たるものにチェックをしてください（複数回答可）」というもの。回答者の分布は下の表の通りです。
浮き彫りになったアンコンシャス・バイアスの認識
20の設問のうち、1件でも思い当たることがあった人は全体の95.5％を越えて、最も多かった件数は4件（11.0％）でした。1人当たりの平均件数は5.7件で、性別での平均件数は男性が5.9件、女性が5.0件。男性の方がアンコンシャス・バイアスを認識した件数が約１件多いという結果です。
設問ごとのアンコンシャス・バイアス認識率
アンコンシャス・バイアスを認識した設問で、最もチェックが多かったのが「『親が単身赴任中』というと、父親を想像する（母親を想像しない）」（33729名／全体の66.3％）、次に「介護しながら働くのは難しいと思う」（29694名／全体の58.4％）、続いて「体力的にハードな仕事を女性に頼むのは可哀そうだと思う」（26186名／全体の51.5％）という結果となりました。
逆に回答者数が少なかった設問は「定時で帰る人は、やる気がないと思う」（1438名／全体の2.8％）、「LGBTの人は一部の職業に偏っていて、普通の職場にはいないと思う」（2169名／全体の4.3％）、「上司より先に部下が帰るのは失礼だと思う」（2633名／全体の5.0％）でした。
ジェンダーに関するアンコンシャス・バイアス
ジェンダーに関するアンコンシャス・バイアスは、どの設問も高い回答率でした。男女ともに最も多かったのは「『親が単身赴任中』というと、父親を想像する（母親を想像しない）」です。
一方、男女差が最も大きかったのは「体力的にハードな仕事を女性に頼むのは可哀そうだと思う」という設問で、男性56.6％に対し女性32.5％と、24.1ポイントの開きがありました。
LGBTに関するアンコンシャス・バイアスを認識した人は、男性が女性の2倍以上。こちらも男女で差が大きくなっています。
調査結果についてのコメント
調査を監修した一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所の代表理事・守屋智敬氏は次のようにコメントしています。
「アンコンシャス・バイアスは誰にでもあって、私たちは、何かしらの影響を受けている可能性があるともいえるでしょう。アンコンシャス・バイアスは、あることそのものが悪いわけではなく、押しつけや決めつけの言動となって表れたときに、問題となるため注意が必要です」
「真の多様性ある職場づくりに大切なことは、『これまでに見聞きしてきた100人はそうでも、101人目は違うかもしれない』といったように、101人目に思いを寄せられるかどうかです」
また、調査を実施した連合の山根木晴久氏は「結果そのものが問題だとか、決めつけや押しつけにならず、誰にでもあることとして、お互いに認知し行動に変えていくきっかけになることを切に願います」と述べています。
アンコンシャス・バイアスにとらわれることなく、誰かを縛ることなく、誰もが多様性を認め合い、お互いに支え合うことのできる職場、社会が実現できるよう努めていきたいものです。
連合アンコンシャス・バイアス診断
【調査実施日】
2020年6月10日（水）～2020年11月11日（水）
【調査内容】
日常、職場の中でのアンコンシャス・バイアス（無意識の思い込み、偏見）に関するアンケート
【調査方法】
Googleアンケート
【調査対象】
連合本部・構成組織・地方連合会・単組の役職員・組合員・その他一般
【有効回答者数】
50871名
【監修】
一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所代表理事 守屋智敬
【調査主体】
連合（日本労働組合総連合会）
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