お願い、追い出さないで
「たまには塀の外に出たいのよ」とドロレス。
はい、そうですかと聞く院長ではない。
「昔と違って僧衣だけでは身を守れない。
あなたにはもっと快適なところを探してもらうわ」
暗に去ることをほのめかす。
飛び上がったのはドロレスだ。
「追い出さないで。やっと慣れてきたのよ。二度と馬鹿な真似はしない。
こんな私でもやれることがあるはずよ」
あれほど嫌っていた修道院においてくれと懇願します。
気持ちの通う友だちのできたこと、
院長は厳しいが公平で、人として信頼できること、
自分も改めなければならないことがあると気づいたこと、
ドロレスは修道院のピュアな生活と仕事に魅力を覚えたのです。
〜「天使にラブ・ソングを」〜