準備? 必要ない。踊れるわ
バレエ団に新人が来た。
「みんな、リリーだ」とトマが紹介する。
最初の日から遅刻だが「ひどい渋滞だった」と悪びれず
早速レッスンに入る。
「準備を」というトマに「必要ない、踊れるわ」
ニナは神経がピリピリする。
用意周到に準備してもまだ心配な自分と真逆。
リリーに緊張してトマの前でいいところを見せられなかった。
「もう一度」と頼むと「いや、充分だ」と冷たく返され、しょげる。
その帰り、暗い通路を歩いてくる誰かがいた。
近づいてくるとそれは怖い顔をした自分だった。
ニナの幻想が出始めます。精神的に危機を感じると
普段と別の顔をした自分が現れるのです。
誰でも無意識のうちに持っているもう一人の自分がいる。
これが厄介だ。
〜「ブラック・スワン」〜