「連絡して」「わかった」
「ニューヨークに来ない? 私と一緒に住めばいい」
追悼式の最中に、ロニートはそうエスティにささやいた。
エスティはロニートの手を握る。
出発の朝だ。エスティは階下のソファで寝ていた。
「さようなら」二人は簡単な挨拶を交わす。
空港へ向かうタクシーが来た。荷物を積み込む。車が走り出した。
「ロニート、待って!」エスティが走ってくる。
あわてて止めた車にエスティが入ってくる。
「あなたはいい母親になるわ、エスティ、美しく勇気のある…」
「愛している」もつれ合うようにだきあい
「連絡して」「わかった」
ロニートは途中父親の墓に寄った。
「さようなら、パパ」
社会、モラル、宗教、制度、習慣、文化、
ロニートは自分とエスティとの間を隔てていた
全てに別れを告げたのです。