監督 セバスティアン・レリオ

「連絡して」「わかった」

〜「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」㉛〜

  「連絡して」「わかった」   「ニューヨークに来ない? 私と一緒に住めばいい」 追悼式の最中に、ロニートはそうエスティにささやいた。 エスティはロニートの手を握る。 出発の朝だ。エスティは階下のソファで寝ていた。 「さようなら」二人は簡単な挨拶を交わす。 空港へ向かうタク...

ラビは最後に選択と自由を語った

〜「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」㉚〜

  ラビは最後に選択と自由を語った   追悼式の日、ドヴィッドはラビの後継者として壇上に立った。 「ラビは偉大な律法者でしたが死ぬ時は人間でした。 彼の最後の言葉は選択の自由でした。 彼は思い出させてくれたのです。人間には選択する自由があると」 エスティに向かい「あなたは自由だ...

私を自由にして

〜「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」㉙〜

  私を自由にして   エスティが夫に告げる。 「妊娠したわ」 夫は笑顔で「これぞ神の御心だ」 妻の言葉はちがう。 「私たち別れるべきよ。この町に生まれた私は選択肢がなかった。 子供には選択の自由を与えてあげたいの。自分の人生を選べる。 私に自由をちょうだい」 「ダメだ!...

今夜のフライトで帰る

〜「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」㉘〜

  今夜のフライトで帰る   事態は紛糾しました。 「今夜のフライトでニューヨークに帰る」とロニートが告げます。 これ以上夫婦の間にいてもいい結果にはならない。 「よかった。何よりだ」 疫病神がいなくなって「何よりだ」と言う感じ。 ロニート「ラビのいい追悼式をね」 ドヴィッ...

彼と別れるべきよ

〜「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」㉗〜

  彼と別れるべきよ   ドヴィッドが黙ってドアから出て行った。 二人のやりとりを聞いていたロニートが「彼と別れるべきよ」と言う。 「その後、どこへ?」とエスティ。 ロニートは、こうなった以上、エスティとドヴィッドが一緒にいても うまく収まるはずはないと見越して、別れるべきだと...

ずっと彼女を求めていたの

〜「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」㉖〜

  ずっと彼女を求めていたの   「利用されているのがわからないのか」 「やめて。本当の私を見て。子供の頃からこうだった。 ずっと彼女を求めていたの」 ドヴィッドはあえぐ。何も言えなくなる。無力を感じる。 黙って家を出て行く。 真実を訊いたが、それは悲しくなるほど明解で、辛か...

真実を訊きたい

〜「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」㉕〜

  真実を訊きたい   学校の校長がドヴィッドにエスティがロニートと一緒にいたと注意した。 「真実を訊きたい」と夫は詰め寄る。 「ロニートにキスしたの。ごめんなさい」 「僕たちはどうなる!」 「努力したわ」 「彼女は仲間の元に帰る。また傷つくぞ」 「ラビの死を知らせたのは私...

大惨事だった

〜「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」㉔〜

  大惨事だった   エスティがクスクス笑いをする。 「ラビに知られた時のことを思い出した」 「やめて」 「神よ、私を殺してください」エスティがラビの真似をする。 ロニートが頭を抱え「大惨事だった」 発覚によって一時は病気にまでなったエスティですが、 今は笑い話にしている。...

NYのあなたを想像したわ

〜「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」㉓〜

  NYのあなたを想像したわ   情熱のまま一時を過ごす。このシーン、かなりハードですよ。 「NYのあなたを想像したわ」とエスティ。 浜辺に打ち上げられたように、疲れてベッドに横たわったまま。 「どんな部屋かな、とか。時差も計算した。 あなたはいつ起きて、いつ寝るか…」 静か...

どこかへ行かない?

〜「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」㉒〜

  どこかへ行かない?   ロニートが言う。「どこかへ行かない?」 人目を気にしているエスティを責めるつもりはない。 自分たちはこの町で、そう育てられただけだ。 でもニューヨークに出たロニートには、 どんな生き方も選択肢もあると今はわかる。 「どこかへ行かない?」には 「こ...