気にいったわ
女王とサラは乗馬に出かけました。
「許して。アビゲイルを代理にして」とサラは謝る。
意外や、女王は「気にいったわ。ヒルデブラントも」
ヒルデブラントとはウサギの名前。失った17人の子の代わりに
女王が可愛がっている17匹のウサギのうち
「頑固で臆病な」ウサギらしいです。
サラは(やれやれ)というふうに「あなたは繊細すぎる」
女王「あなたは冷淡で心ない」
サラ「やさしいときもある。忘れないで」
このあたりから女王の愛情はきしみ始めます。
やさしい、穏やかなアビゲイル。
サラはアビゲイルのような甘い言葉をささやきません。
権力者って際限なしの欲張りなのでしょうか。
もっともっとやさしくしてと、女王が欲張らなかったら
サラの悲劇はなかった。
それとも女王の孤独に気がつかなかったサラの油断でしょうか。
どっちにせよ、隙間に滑り込んだのはアビゲイルです。