私に宮殿をくださるの?
18世紀初頭、英国はスペイン継承戦争でハプスブルク家につきフランスと
戦争中。アン王女(オリヴィア・コールマン)と
側近のサラ(レイチェル・ワイズ)が宮殿の一室で話しています。
「あなたに贈り物があるの」女王が指し示したのは宮殿の模型。
「私に宮殿をくださるの?」
喜びはしますが「あなた、気が変よ。浪費が過ぎる。今は戦時下なのに」
「勝ったのよ」と女王。
「戦争は続いています」
二人は幼馴染。切れ者のサラはきっちり状況把握しているのに
女王は「続いている? 知らなかった」
執務はサラにオールお任せ。贈り物は宮殿。桁ちがいのスケールです。
女王の寵愛をめぐる女性二人の確執が物語のメーンですが、
精緻な時代考証、隙のない宮殿の内部とインテリア、豪華な衣装、
張り巡らされる陰謀、生き残るのは誰?
どのシーンにもとびきりの映画言語が散りばめられた傑作。