僕のため、客を取る?
心に傷を負った人々が、人生を取り戻していくヒューマンな映画です。
ペドロ・アルモドバル監督の代表作。綺麗事にならない励まし、
誇張のないやさしさ、生き別れ、死に別れるつらい生のさなかにも、
人生に向き合っていく人たちへの賛歌です。笑いながら涙ぐみ、涙するところで笑ってしまう。
舞台はスペインのバルセロナ、光と影の交錯する大都市で、アルモドバルが真骨頂を織り成した傑作です。
冒頭のセリフは、母子家庭の母マヌエラに息子エステバンが聞くシーン。
母親の答えは遅疑なく「なんだってするわよ」
母親っ子であったアルモドバルは本作で、絶対無二の愛を母と、
そして映画に捧げています。
アカデミー外国語映画賞受賞。