娘と同じ年のとき、何が欲しかった?
What did you want when you were four?
「キャロル パート3」です。
キャロルはテレーズを一目見た瞬間、早々と「彼女を獲得する」ために
アクションを起こしています。手が早いというより、キャロルは
本質的に男性的なのです。当時の女性にあって、
自分が生きやすい場所をキャロルは家庭と夫以外に求めていて、
現在の自分に虚しさと束縛を感じないではおれない。
テレーズを見て「あら、かわいい子ね」
それもあったと思いますが、この二人、基本、相性がいいのです。
のちにテレーズはボーイフレンドと別れる理由に、キャロルとは
「話が合うのよ」と言っているくらい。
キャロルは積極的でした。
つかつかとテレーズに近づき、目当ての人形はないとわかったのに、
ああだ、こうだ、と話を長引かせています。
「娘と同じ年のとき何が欲しかった?」なんて、親しみを意識した、
踏み込んだ質問です。今回の「キャロル」では、「誘惑者」であり、
「欲望するキャロル」に焦点をあてます。