治療施設の拡大や保険適用にも期待

 

 体と心の性別が一致しないことで苦しむ性同一性障害(GID)の診断や治療の充実を目指し、GID学会は認定医制度を導入、初めて「認定医」として9名を選びました。

 認定医は、精神科や産婦人科、泌尿器科、形成外科などの専門知識や技術に加え、GID当事者が学校や職場で直面する社会的な問題への理解も求められます。20人以上の診断経験や研究で一定以上の実績があることを条件に、同学会理事長の中塚幹也・岡山大教授をはじめ、精神神経科・産婦人科・泌尿器科・形成外科を専門とする9名を選出。今後は試験や面接も加えて5年で50人程度の認定医育成を目指していくそう。

 2004年の法施行から2014年までに5000人以上が性別変更を認められましたが、国内で手術できる施設は限られており、費用も高いのが現状です。今後、専門的な知識や技術を持つ認定医が増えることで、治療の質が確保されるのはもちろん、治療施設の拡大や、現在は全額が自己負担となっている手術やホルモン療法の保険適用の道も開ける可能性もあると期待されます。

 

GID学会 http://www.okayama-u.ac.jp/user/jsgid/

岡山大学大学院保健学研究科中塚研究室 http://www.okayama-u.ac.jp/user/mikiya/