問題は、ジェンダー・アイデンティティ

 

GIDは、Gender Identity Disordeの略で、「性同一性障害」を指します。これは、「生物学的性別(sex)と性別に対する自己意識あるいは自己認知(gender identity)が一致しない状態である」と定義されています。

 「性同一性障害」は、「同性愛」と混同されがちですが、まったく別です。性同一性障害は、自らの性別に関するジェンダー・アイデンティティの問題であり、同性愛は性対象として同性の相手を選ぶことを意味します。

性同一性障害を有する人が、外科的治療を行い、外見的には反対の性別に限りなく近づいたとしても、「戸籍上の性別」が変更されないとQOLは高まりません。そこで、平成16年より「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が施行されました。

家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当する者について、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができるとしています。

・ 20歳以上であること

・ 現に婚姻をしていないこと

・現に未成年の子がいないこと(平成20年に「現に子がいないこと」より変更)

・ 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること

・その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること

 性別に関する特例法が施行された平成16年7月から平成23年度までの申し立て受け付けは総計2936件、そのうち裁判所で認められた性別変更(更正)は2847件でした(「日本性同一性障害と共に生きる人々の会」調査)。

※厚生労働省HP参照 http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_gender.html