わたしはジョージが好きよ
画商のイザベラは、数少ないジョージの味方です。
「わたしはジョージが好きよ」とベイコンにいう。
「パブで見たときは憔悴して、男娼たちにたかられていたわ。
彼はまるで死体みたいだった。パリ行き?
本気でいっているの? 中毒を早く治さないと手遅れになる。
なんで連れて行くのよ?」
アンドレ・ジイドの「背徳者」と同じですね。
弱っている妻を連れ回して衰弱死させ、ケロリとしている。
自分のことしか考えない奴だから、理屈もヘチマもない、
三十六計逃げるに如かず、なのよ。