LGBT

二人きりで過したい。誰にも邪魔されず

〜娘を独占したい母と母を独占したい娘①〜

  「ふたりきりですごしたいわ。だれにもじゃまされず」 本作のヒロイン、カトリーヌ・ドヌーヴは娘を溺愛している。 娘が結婚したいという、相手の男が気にいらない。 ママは娘とふたりきりでいたいのだ。そこで上のセリフ。 かけおちした娘を気が狂うほど心配し、インドシナの草の根わけて探す。 激...

君の存在に耐えられないだけだ

〜ケンカに強い女③〜

  「君はどこも悪くない。君の存在に耐えられないだけだ」 上のセリフを吐いて去った男を、ヒロイン女ミミ(エマニュエル・セニエ)はどうしたか。男が交通事故で入院した情報を得て、ミミは病院に行く。 単なる骨折だった。ミミは男をベッドから引きずり下ろし床に叩きつけ、骨折のうえに骨折させ、一生車椅子...

風格のない無能な女主人ね

〜ケンカに強い女②〜

「あなたにはガッカリしたわ。風格のない無能な女主人ね」 メイドのエマニュエル・ベアールが、女主人のカトリーヌ・ドヌーヴにむかっていうセリフ。 ベアールのエプロンのポケットにあった写真をみて、「あなたの昔の女主人ね。尊敬していたの?」とドヌーヴがきく。 ベアール、ニコリともせず「愛していたわ」さらな...

わたしの最高傑作よ

〜ケンカに強い女①〜

「わたしの最高傑作よね」 人気ミステリー作家サラ(シャーロット・ランプリング)の売れ行きが低迷。 深い仲の出版社の社長が休養を提案したのが気に喰わない。 サラは南仏の社長の別荘に行く。不意に社長の娘ジュリーが来た。 若くて奔放、放埒なジュリーに惹かれ、彼女を主人公に一気に書き上げた。 新作の出版を...

これ以上休む必要はありません

〜世代を越えたアーティスト愛〜

「あなたは刑務所で3年間も休んでいます。これ以上休む必要はありません」 ジェニーは天才ピアニスト。恋人の殺人をかばって刑務所に入った。 ジェニーの才能を見ぬいた先生は、所長に進言し、女囚の福利厚生の一環にピアノレッスンを採用させる。 ジェニーは反抗したが、ピアノが弾ける歓びを隠せない。 先生はナチの...

神さまに対してなにも恥ずかしくない

〜つかのまだけど幸福だった〜

  「わたし神さまに対してなにも恥ずかしくない」 死刑囚の連続殺人犯アイリーン(シャーリーズ・セロン)の言葉です。 親もいない、家族もいない、13歳のときからの娼婦だったアイリーンに、はじめてできた友だちがセルビー(クリスティ・リッチ)だ。 セルビーの要求をかなえ、喜ばせるために、アイリー...

君は世界一魅力的な女性

〜ジゴロの面目〜

  「君は世界一魅力的な女性」 「君には自分らしいスタイルがある。話し方も、歩き方も、服のセンスも。 君の歩く姿、話す口元にぼくは燃え上がる」…ジョー(ウィリアム・ボールドウィン)は生き馬の目を抜くニューヨークのジゴロ。 女友だちのコニー(ケリー・リンチ)にうちあけたジゴロの秘訣は「世界一...

怒るとセクシーね

〜エスプリ〜

「怒るとセクシーね」 怒ったときにきれいに見える女がいます。キリキリひきしぼった弓みたいな、あるいは白刃のような緊張がみなぎっている。グロリア(ベアトリス・ダル)は、フランセス(エマニュエル・ベアール)がそんな女だとわかっている。 ふたりは10代のときからの恋人同士だ。テレビキャスターとして成功したフラ...

私の望みはあなたに想われること

〜静かな勝利〜

 「わたしの望みはあなたに想われること」宮沢りえが蘇州の歌姫に。名門貴族の第五夫人として嫁ぎ、夫の従姉ランと相思相愛になります。ランと仲がよすぎて夫の不興を買い、家を追われたりえを、ランは自宅に引き取る。貴族の家だから豪邸です。 ふらふらとランは浮気する。りえは悲しみ沈むが取り乱したりしない。 「わたしの望み...

わたしなんか消えてなくなりそうだわ

〜ものは試し〜

  「年とともに魅力的になるあなた。わたしなんか消えてなくなりそうだわ」 ジュリアン・ムーアは女医。年齢による自信喪失で夫リーアム・ニーソンと目下セックスレス。 思い余って不安を吐露するのがこのセリフです。 ジュリアンは劇中、本気でそう思っているのだけど、なんせ、一歩さがって自分をほめてくれる...