デビー・ラッセル

「嘘じゃない証拠は?」「ない」

〜天才詐欺師が最後に挑んだ大勝負「フィリップ、きみを愛してる」㉒〜

「嘘じゃない証拠は?」「ない」 スティーヴンのインテリジェンスの、面目躍如は最後のこのセリフだと思うのです。(こいつまた騙すつもりじゃないか)と不安なフィリップが「ウソはないって証拠は?」と訊く。一瞬間をおいてフィリップは「ない」この答えでフィリップがスティーヴンを信じるか信じないか、映画は答えを出していませ...

ウソの下にいつも本物があった

〜天才詐欺師が最後に挑んだ大勝負「フィリップ、きみを愛してる」㉑〜

ウソの下にいつも本物があった エピローグです。「やり直そうとはいわない。一つだけ聞いてくれ。確かにウソだらけだった。でもウソの下にいつも本物があった。今の俺は弁護士でもない、会社の役員や警官でもない。脱獄名人でもない。今はただきみを愛する男だ。そう見えたら信じてくれ。二度と別の者にはならないと約束する」&nb...

きみの弁護士だ

〜天才詐欺師が最後に挑んだ大勝負「フィリップ、きみを愛してる」⑳〜

きみの弁護士だ ある日フィリップの弁護士と名乗る男が現れ、面会室に行くと、そこにいたのはスティーヴンだった!「また騙したな!」フィリップは驚くのも忘れ逆上する。スティーヴンは弁護士になりすまし、フィリップの保釈手続きのため裁判所に行きますが、トイレで出会った男が、横領した会社の元同僚。スティーヴンは再び刑務所...

僕はきみのものだ、永遠にね

〜天才詐欺師が最後に挑んだ大勝負「フィリップ、きみを愛してる」⑲〜

僕はきみのものだ、永遠にね 「もう手の施しようが…」「時間の問題だ、気の毒だが」そういわれるスティーヴンに「どうしてもという人が」電話はフィリップだった。受話器も持てないスティーヴンの耳にフィリップの声が届く。「伝えておきたい、時々きみがわからないけど、愛している。僕たちはありえないような愛の道化だね。きみの...

君はエイズだ

〜天才詐欺師が最後に挑んだ大勝負「フィリップ、きみを愛してる」⑱〜

君はエイズだ 刑務所に逆戻りしたスティーヴンは、フィリップに会うため、一世一代の大博打に出ます。エイズ患者を偽装し、死体になって刑務所を出るのです。ひとつ間違えば命を失う。「楽じゃないがやれると思った。10か月食事は半分に減らし、嘔吐などあらゆる症状を演じた。末期患者の措置として民間施設への移送がある。それに...

出会ったときからウソばかり

〜天才詐欺師が最後に挑んだ大勝負「フィリップ、きみを愛してる」⑰〜

出会ったときからウソばかり 同僚の調査で横領がばれ、スティーヴンはフィリップと高飛びしようとするが、スティーヴンのウソにフィリップは「もしかして弁護士もウソ? もう顔も見たくない」と怒って家を飛び出してしまう。それがフィリップとの最後だ。スティーヴンは寂しげに告白する。「金を得るためのウソ、愛されるためのウソ...

僕に隠しごと、していない?

〜天才詐欺師が最後に挑んだ大勝負「フィリップ、きみを愛してる」⑯〜

僕に隠しごと、していない? アタマがよすぎるせいか、周りの人間がバカに見える。仕事も(あそことココと)チョイチョイいじれば金をごまかせる。スティーヴンは会社の金を簡単に横領し、ついに夢の暮らしを手に入れた。豪邸、車、欲しいものは何でも揃う。スティーヴンの羽振りのよさに、フィリップは不審になった。「僕に隠しごと...

わが社自慢の人材だ

〜天才詐欺師が最後に挑んだ大勝負「フィリップ、きみを愛してる」⑮〜

わが社自慢の人材だ スティーヴンは履歴書を偽造した。大手金融会社に売り込みに行った。「素晴らしい経歴だ」CFOに抜擢される。最高財務責任者だ。スティーヴンにとって素人の経営陣をその気にさせるなど、赤児の手を捻るようなもの。りゅうとタキシードを着こなしパーティに出席すれば、社長の覚えもめでたく「わが社自慢の人材...

まともな仕事に就かねば

〜天才詐欺師が最後に挑んだ大勝負「フィリップ、きみを愛してる」⑭〜

まともな仕事に就かねば フィリップが釈放された。愛の暮らしを始めるのだ。スティーヴンの夢が叶う。彼は心に誓った。フィリップに決して不自由な思いはさせない。それにはまともな仕事に就かねば。IQ169の頭脳がやらかした「まともな仕事」とは… (「フィリップ、きみを愛してる」)  ...

名門大など出ていません

〜天才詐欺師が最後に挑んだ大勝負「フィリップ、きみを愛してる」⑬〜

名門大など出ていません 思いがけない「待った」がかかるが、スティーヴンはあわてない。うろたえない。まっすぐ裁判長を見つめ、こう切り出した。「わたしは名門大など出ていません。ごく地味な学歴です。 三流大学出の農村育ち。でも、彼と同じ弁護士です」どう考えても指摘された異議に関係ない。本当にスティーヴンの「すごい」...