ゲイ映画のキメ台詞

わたしなんか消えてなくなりそうだわ

〜ものは試し〜

  「年とともに魅力的になるあなた。わたしなんか消えてなくなりそうだわ」 ジュリアン・ムーアは女医。年齢による自信喪失で夫リーアム・ニーソンと目下セックスレス。 思い余って不安を吐露するのがこのセリフです。 ジュリアンは劇中、本気でそう思っているのだけど、なんせ、一歩さがって自分をほめてくれる...

10年も前の私になぜこだわるの?

〜優柔不断な男を棄てるとき〜

  「10年も前の私になぜこだわるの?」 ホールデン(ベン・アフレック)とバンキーは男同士の親友。ホールデンがアリッサ(ジョーイ・ローレンス・アダムス)に恋した。バンキーはヤキモチをやいて、彼女がバイの「たこつぼ」だとこきおろす。 ホールデンが真に受け、おずおず尋ねると「事実よ」とあっさり認...

ぼくはダリ。現代美術の救世主さ

〜愛は「見た目」〜

  「ぼくはサルバドール・ダリ。現代美術の救世主さ」 これ、ダリがマドリッドの学生のときの映画。 「救世主だ」「天才だ」なんて、言った者勝ちよ。だってそのときは救世主か天才か、だれにも本当のことはわかってないのだもの。 同じ寄宿舎にいた若き詩人、ロルカはダリに一目惚れ。 もちろんダリの才...

毒のある花みたい

〜「ブス」ではない「美人」でもない〜

  「毒のある花みたい」 「毒のある花みたい」とは、なんと実母が娘にいうセリフです。 母親にイザベル・ユペール。 「ブス」か「美人」かの二項対立で女を見るなんて、この母親に言わせたら気絶しそうなほど退屈。 女を美しくさせているのは、ある種の毒だとわかっていて娘に言っています。 ...

ドリアン・グレイよ

〜カリスマ・ヒーローでいこう〜

  「ドリアン・グレイよ」 人の悪いオスカー・ワイルドは、ドリアン・グレイは美貌であるばかりか、複雑で繊細で悪魔的な人物だと、世界中の読者に刷りこみました。 おかげで、彼の実相ときたら、受け取る人の解釈しだいという、やたら幅広いところがじつにいい。 「暗いな〜。どうしたん?」ときかれた...

あなたの声はパリの魂よ

〜くどき上手のほめ方〜

  「あなたの声はパリの魂よ」 1947年、ピアフのニューヨーク公演。 レストランでマレーネ・ディートリッヒがピアフのテーブルに来ていう。 「今夜あなたの歌を聴いて、心の旅ができたわ。パリの街かどや空。あなたの声はパリの魂よ。パリを旅して涙がこぼれたわ」 この初対面で、ピアフはディートリ...

私と結婚することを忘れたの?

〜ユーモラスな念の押し方〜

  「私と結婚することを忘れたの?」 「オルランド」はヴァージニア・ウルフの創ったピーターパンみたいなもので、男にもなれば女にもなった、地球人というより異星人です。 ひたすら恋に一途。婚約者がいながらロシアのお嬢さんにのぼせ、「ばかばかしい婚約のことは忘れます」などと放言する。 婚約者は、オルランドが...

「いただけます?」「もちろん」

〜落としたいとき〜

  「いただけます?」「もちろん」 タキシードを着たディートリッヒが楽屋でタバコをふかす。うまくもなく、まずくもない、という吸い方で、デビュー前の緊張を表す。歌が終わる。ディートリッヒは女性客のテーブルへ。髪にさしたバラを「いただけます?」。 「もちろん」相手はポ〜。ディートリッヒはシルクハット...

女はみな潜在的にレスビアンよ

〜いつくしむ視線〜

  「女はみな潜在的にレスビアンよ」 おもしろいことに「男はみな潜在的にゲイよ」とは、アルモドバル監督は主人公にいわせていないのですね。彼がこの映画の中で女同士によせる理解と共感は、かぎりなくやさしく、慈しむ視線です。エイズや暴力や、死や、差別もきちんと描かれているのですが、助けあって生きる女...

どんな女性にも秘密をもつ権利がある

〜男のいたわり〜

  「どんな女性にも秘密をもつ権利がある」 ニューヨークからロスへ、「トランスアメリカ」の旅の途中、ブリー(フェリシティ・ハフマン=女優)には、中年のトラック運転手カルビンとの出会いがあった。カルビンはつつましいブリーに好意をもつが、ブリーは自分が「女になりたい男」だと打ち明けられない。 ...