Diversity Studies

違法行為は許さん

〜 「トム・オブ・フィンランド」5

違法行為は許さん   夜になると部屋に鍵をかけ、欲望する男のタイプを絵にする。 でもそれだけでは血が鎮まらない。 やはり公園に行く。男に声をかける。 「見たいか」と男。 「いや、見るよりしたい」 その気になった2人が木の影でもつれていると 公園警備の警官が来た。...

こいつはゲイだ!

〜 「トム・オブ・フィンランド」4

こいつはゲイだ!   トウコはバーに出かけた。 男たちに目がいく。 隅のテーブルに座っている男に目配せしてトイレに入った。 男の隣に座り、下から自作のイラストを滑りこます。 男は受け取った。 トウコは(脈あり)と見る でも男は「こいつはゲイだ」と喚き立て、 ...

誰かと一緒になったら?

〜 「トム・オブ・フィンランド」3

誰かと一緒になったら?   妹は兄が独身でいるのが気がかりだ。 「誰かと一緒になったら? 世話してくれる特別な人」 「戦争中にはいた」 「婦人部隊の人?」 「いや。航空隊のパイロットだった」 「戦争中は魔がさすこともあるわ」 妹は兄の性向を一時的なものと捉えよう...

兄さんを雇ってくれるって

〜 「トム・オブ・フィンランド」2

兄さんを雇ってくれるって   復員したトムは、妹のカイヤと暮らしています。 妹は、自分の勤める広告会社のイラストレーターの仕事を紹介する。 「ボスが兄さんを雇ってくれるって。お金が必要でしょ」 トウコはまだ戦争の後遺症がある。 広い原野にパラシュートで降りてきたソ連兵士をナ...

君には何か夢があるか

〜 「トム・オブ・フィンランド」1

君には何か夢があるか   ゲイカルチャーを牽引した伝説のイラストレーター、 トム・オブ・フィンランドの伝記映画です。 時代は第二次世界大戦の終戦間近、 トウコ・ラークソネン(のちのトム・オブ・フィンランド)に 上官のヘイッキ大尉が「君には何か夢があるか」と訊く。 「特...

女王に気安く触れるな!

〜 「女王陛下のお気に入り」70

女王に気安く触れるな!   抱き起こそうとしたアビゲイルは女王の一喝におののく。 「女王に気安く触れるな!」 「すみません」 「話せと命じていない。脚を揉め」 「横になって」 「命じられた時だけ口を利け」 さらに「目が回る。何かにつかまりたい」 アビゲイル...

「アン」

〜 「女王陛下のお気に入り」69

「アン」   女王がうたた寝している。 ベッドの周りを何羽ものウサギが歩き回っている。 キイ、キイという悲鳴で女王は目を開く。 侍っているアビゲイルが素知らぬ顔で、ウサギを踏みつけている。 女王、起きあがろうとして倒れた。 「アン」とアビゲイルがそばに寄る。 「...

もうイングランドにウンザリよ

〜 「女王陛下のお気に入り」68

もうイングランドにウンザリよ   窓辺のサラが振り向いて夫に言う。 「郵便が来たわ」 郵便ではない、騎乗の一隊だ。 サラは自分の運命を知る。でも頭をうなだれはしない。 夫に言った。 「もうイングランドにはウンザリよ。よそへ行きましょう」   &n...

国外追放せよ

〜 「女王陛下のお気に入り」67

国外追放せよ   サラは自邸で手紙を書いている。 書いてはポイ、書いてはポイ。 デスクの周りは紙屑だらけだ。 「あなた忠実なサラ」でも先が続かない。 ポイ、ポイを繰り返しながらようやく書き上げた。 女王待望の手紙が宮廷に届いた。 だがそれは網を張っていたアビゲイ...

彼女はやらない

〜 「女王陛下のお気に入り」66

彼女はやらない   「大金が消えています。帳簿に記載のないお金が モールバラ卿の手に」 恐れながらとアビゲイルが女王に直訴した。 「つまり、サラが夫に渡していたと?」女王。 「そのようです」 女王言下に「彼女はやらない。下がって」 断固とした迫力に気圧されたアビ...