まだあの人と? 幸せ? よかった
3年後、アデルはエマと再会する。アデルは教師としてのキャリアを重ね、
高学年を受け持つようになった。エマは若手画家として注目されている。
「まだあの人と?」とアデルが尋ね、エマがうなずく。
幸せかと訊いたときもうなずく。
「よかった」とアデルはいう。
3年の間、アデルがさびしさのなかで、でも仕事をスポイルせず、
コツコツと生きてきた軌跡を描きます。
学校の帰り、エマと過ごした大きな木の下のベンチに、ひとりで座り、
寝転ぶときもあり、泣くときもある。
そしてある日、どうしても会いたくなって電話した。